惹かれたのは強く、眩しい子で。





無事馬車に着き、ヘクターさんともお別れをして馬車が動き出すと、はしゃいで疲れたのかリラ様はあっという間に眠りについていた。



首が、ガクンっとなっているのに気づき、慌ててリラ様を横にしようとした時


「ミア、こっち座りなよ。」



エルシー様が隣を促している。
…確かに、その方がリラ様は寝やすいだろう。、



少し考えた後、リラ様をそっと横に寝かし、頭にクッションを置き、ブランケットをかける。


そして、動く馬車の中、恐る恐るエルシー様の隣に座った。






「よっぽど楽しかったんだな。」


「ここ最近は部屋に篭りがちだったので、余計楽しかったんでしょう。」


「ミアは?」


「……楽しかった。」



なら、良かった。と優しい声で言ったエルシー様



上質な馬車の中、座り心地も一般的な馬車に比べたら桁違いに良い。

緊張しながら窓の外に目を向けて、流れる風景を眺める。




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