囚われて、落ちていく
「ンンン…苦し…刹那…さ……待って…」
「ダメ…待たない……」
刹那を押し返す、都麦。
しかし刹那は、都麦の頬を両手で包み込み口唇を寄せてきた。

「んんっ…お願い、聞いて……」
都麦は再度押し返しす。
「何!?」
「あの店員さんに笑いかけたんじゃないの。
刹那さんにだよ?」
「え…!?僕に?」
「刹那さんに似合いそうなジャケット見つけてお店に入ったのはいいんだけど、サイズがわからなくて……
そしたらあの店員さんと刹那さんの体型が似てたから、サイズを聞いたの。
それで手渡されたジャケットを見て、刹那さんが着ているの想像しちゃってにやけちゃったの。
だから、店員さんじゃなくて刹那さんに微笑んだというか…////」
都麦は必死に、弁解していて恥ずかしくなり思わず俯いた。

「………つむちゃん、僕を見て?」
「……////」
真っ赤な顔で、刹那を見上げる。
「ありがとう、僕の為に…!」
「刹那さん、私ね」
「うん」
「刹那さんがカフェに来てた5年前からずっと好きだったの」
「うん」
「今でも大好き!」
「うん」
「いつも刹那さんのことばかり考えてるの」
「うん」
「私は、刹那さんの為なら…刹那さんのお願いはできる限り叶えたいと思ってるの」
「うん。僕も、つむちゃんのお願いはできる限り叶えるよ!」
「うん……お願い、刹那さん…私を嫌いにならないで?」
今度は都麦が、刹那に抱きついた。

「つむちゃん…」
「私は刹那さんのモノだよ!」
刹那の首に抱きついたまま、肩に顔を埋めて言った。

「うん!嬉しい!
僕も、つむちゃんのモノだよ!
ごめんね、さっきは取り乱して……!」
刹那に向き直ると、いつもの刹那の笑顔があった。

「ううん!
良かった…いつもの刹那さんだぁ」
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