囚われて、落ちていく
都麦が目を瞑り、耳を塞いで項垂れていると……

ガチャとドアが開いて、刹那が入ってきた。
「つむちゃん!」
「あ…あ……刹那さ…」

目の前の美しい人は、波田を蹴り上げていた。
血を噴き出していた波田。

「つむ…ちゃん…?」

最低・最悪な魔王━━━━━

どうして………
どうして私は━━━━━━

「好き…なの…」

「え……つむ、ぎ…?」

「刹那さんを、愛してるの!」

「都麦…」

「刹那さん、最低!」

「うん」

「最悪な魔王」

「うん」

「きっと……由利ちゃん達も、もう…いないんでしょ?」

「うん」

「人殺し!!」

「うん」

「悪魔!」

「うん」

「大っっ嫌……」

「つむちゃん…?」

「大……好き……!」

「………うん」

「最低・最悪な魔王だけど……」

「うん」

「でも、私の前では穏やかで、優しくて……」

「うん」

「心配性で、過保護で………」

「うん」

「だから、私……」

「………」

「………-私も最低・最悪な魔王になる!」




「都麦、俺も愛してるよ。
何があっても、絶対放さないから!
ずーーーっと、一緒にいようね!」



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