囚われて、落ちていく
「つむちゃん、目…瞑って?」

マンションに帰り、ソファに並んで座っている二人。
身体ごと都麦の方を向いた刹那が言った。

ゆっくり目を瞑る都麦。

首に、何かがかかる感触がする。
「いいよ、つむちゃん。
目を開けて?」
ゆっくり目を開けると、優しく微笑む刹那がいた。

「これ……」
「つむちゃんにプレゼント!」
「綺麗…!」
「でしょ?
これね、GPSがついてるんだよ!」
「え……?」

「何があっても、外さないでね!」

「………」
「つむちゃん?」
「……嬉しい…!」
「ほんと?」

「うん!ずっと傍に、刹那さんがいてくれてるみたい!」
ネックレスに触れながら、ニコッと微笑む都麦。

「可愛い…つむちゃん……!」
二人の口唇が重なり、刹那の口唇が頬、額、首、鎖骨に落ちていく。
そのままソファに押し倒された。

「んん…刹那…さ……」
「つむちゃん…大好き……愛してるよ…!」

二人は、狂ったように落ちていった。


「刹那さん」
「んー?」
「人を愛することって、恐ろしいのかもね?」
刹那の腕枕で、うっとりとして刹那を見ている都麦。

「そうかもしれないね…」





そして瞬作と笹原━━━━━━━

「瞬作さんは、わかってたんですね。
何があっても、都麦様が若から放れないって!」

「あぁ…!
俺が兄さんから都麦ちゃんを奪えないのは、兄さんが怖いからじゃないんだ。
きっと……都麦ちゃんが、壊れる。
そうなるのが、怖いんだ。
“魔王”は、兄さんじゃなくて、都麦ちゃんじゃないかなって思ってる。
きっと……兄さんの傍にいる為なら“何でも”するよ。
都麦ちゃんは━━━━
あまりにも純粋すぎて、見境がないから……!」

「だから、若のような人間をどこまでも愛せるのかもしれませんね………!」



「刹那さん、ずーーーっと私を放さないでね!」

「もちろん!
僕だけの魔王……つむちゃん!」





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