【短編】貴方だけを愛しています
食べるのを躊躇うお兄様をチラチラ見ながら卵スープを啜り、餃子を取る。

酢醤油と酢と胡椒のタレを交互につけて食べる中、お兄様はレバニラのもやしや人参だけを取ってご飯を何口も頬張る。



「歯を磨けば大丈夫よ!食べなさい?」



「そうか?;;」



「胃から上がって来るぞー?」



「貴方っ!」



「すまん;;」



「その時は飲むブレスケアをあげるから安心して食べなさい!成長期なんだから!」



「や、成長期は過ぎたし、何でお袋はそんなもんを持ってんだ?;;」



「お父さんが臭うようになったからよ……」



「「「…………;;」」」



「何で言うんだ!;;」



「将也が可哀想でしょ!まだまだこれからなのに!」



「どうしてこの家族は俺を子供扱いするんだ!」



「身長しか成長してないからだろ」



「このタツ!!;;」



「“このタコ”みたいなノリで言うなよ」



「腹立つとかけたんだ!!;;」



「あっそ」



「もう何なんだよ、こいつ!;;」



「たっちゃん、お兄様が泣いちゃうよ」



「泣かね――…」



「気持ち悪いな」



「食ってんじゃねぇよ!;;」



「ダメなの?」



「良いだろ」



お兄様の相手をしていたら、夜中になってしまいそうだし。
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