トライアングル的極上恋愛〜優しい沼に嵌ってもいいですか?〜


笑顔の素敵な浅見先生は私を見て、大丈夫よと言ってくれた。

私はフリージアに戻ってからその先生とのやり取りを、鰺坂さんをはじめとするその場にいたスタッフに話した。
少しでも、専務の事を好きになってもらいたい。
専務は、本当は心優しい人だという事を知ってもらいたい。
そういう事を考える自体、私はどうかしている。
ここ最近、唱馬の存在が見えなくなる時間が、確実に増えている。
でも、鰺坂さんの言葉は嬉しかった。
専務の印象が少し変わったみたいだから。

私はフリージアから外へ出ると、冷たい風に驚いてしまう。
今朝は天気も良くてポカポカ陽気だったのに…
秋から冬に変わる冷たい風のせいなのか、何だか急に泣きたくなった。
唱馬の事が好き… 唱馬の事が好き…
歩きながら、そんな当たり前な事を唱えてしまう。
まるで、自分の心に言い聞かせているみたいに。
唱馬は、私と専務が二人で会う事に賛成じゃなかった。
噓がつけない唱馬は、すぐに感情を顔に出し言葉で伝えたがる。


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