トライアングル的極上恋愛〜優しい沼に嵌ってもいいですか?〜
「もし、嫌な事とか言われたら、すぐ僕に言って。
慈恩は従兄としてはいい奴なんだけど、人間としては情が無さ過ぎるんだ。
結構、酷い事をズバッと言ったりね。
昨日は鰺坂さんと揉めたらしい。
あんなんでここのトップに立てるのか心配だよ」
どうりで鰺坂さんがプンプンしていた。
温厚な鰺坂さんを怒らせるなんて、慈恩って本当はどんな人なのだろう。
私は困ったように微笑んだ。
そんな内輪の事を言われても、私には関係のない事だから。
そうこうしていると、チェックアウトのお客様が何人かフロントへやって来た。
私と唱馬は笑顔で応対する。
きっと、唱馬は仕事ができる人間。
彼の笑顔はそれだけでお客様の心を癒す。
それにしても…
唱馬の所には女性のお客様の列ができている。
イケメンで御曹司で性格がよくて可愛くて仕事ができる唱馬は、本当に魅力的な人だと思う。
丁寧にお客様と接している唱馬の横顔を見て、私はまた胸がときめいた。
今日の私は胸キュンのオンパレードだ。
慈恩にキュンして、唱馬にキュンして…
一体、この先、私はどうなってしまうのだろう?