トライアングル的極上恋愛〜優しい沼に嵌ってもいいですか?〜


そして、二宮さんは淡々と報告を済ませると、そのまま仕事に戻った。
昨日からの頭痛は、明らかにこの事が原因だ。
二宮さんが見えなくなった後、俺はソファに倒れ込むように横になった。
とりあえず、謝りに行った方がいいか…
俺は痛むこめかみを押さえながら立ち上がった。

「二宮さん、何度もごめん。
今日、高梨さんはどこの担当?」

二宮さんは手を止めずに、俺を見て微笑んだ。

「ここで待っててください。
もうしばらくしたら、彼女はここへ来ますから。
僕が他の用事があって、一時間ほど高梨さんと代わってもらいます」

「あ、そうなんだ」

「はい」

二宮さんは爽やかに微笑んだ。
彼は彼なりにこのフリージアの雰囲気を良くしようと努力をしているのかもしれない。
俺を取り巻くフリージアの雰囲気は明らかに最悪だから。
俺はお言葉に甘えて、またソファに倒れ込んだ。
五分でいいから、熟睡したい。


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