小さな願いのセレナーデ
「いや、そうじゃなくて…そうじゃなくて……」

どストレートに『何で結婚しないの?』って言うのも何か違うし……『私、邪魔じゃない?』って言ってもきっと全否定してそう感じさせないように振る舞うだろうし……。なかなかオブラートにくるんだいい言葉が見当たらない。


「……ごめんなさい、碧維の面倒は見なくていいからね。負担でしょうし」
「いやいやそうじゃなくて!」

なんだか…会話が噛み合っていない気がする。

「碧維のことは好きだし!私だったら毎日碧維に野菜食べさせてあげられるからお兄ちゃんより役立つよ!」

そう胸を張って言うと、晶葉先生は何か考える顔をしている。ちらっとお兄ちゃんを見ると……いつものあの、惨敗した顔をしていたが。


「……んーじゃぁやっぱご飯ぐらいは一緒の方がいいんじゃない?」
「まぁその方がユキさんの負担は少ないか?でもすぐそこだしなぁ…」

二人がゴニョゴニョ言ってるが、全く要領が得ない。
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