No rain,No rainbow
「かわい」なんて、あまりにちいさな呟きだったから、気が付かないふりをしてしまった。

律さんの甘い言葉にまだ、慣れない私。

たぶん、それに気がついているであろう律さんは、

「ご飯、一緒に作って、食べましょ」

笑顔を見せて、また、優しく私の手を引いて歩き出した。

「何食べたいですか?」

「うーん。あっさりしてて、たくさん食べられるけど、食べ飽きないものがいいなぁ」

なかなか、難しいリクエストですねぇ。

夕陽がさす道を、手を繋いでゆっくり歩く。


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