No rain,No rainbow
「本当に、なにか食べて帰らなくていいんですか?」

スーパーで食材をふたりで選びながら、律さんが私に聞く。

「律さん、指輪買ってくれたじゃないですか」

「それは、当たり前でしょう」

隣で微笑む、律さん。

"当たり前"だなんて、律さんはどこまでも優しい。

「すっごく、嬉しいんで、私が何か作ります」

「じゃあ、一緒に作りましょう」

"いっしょに"

その響きは、私に深い安心感を与えてくれる。

でも、最近気がついたこと。

単語や言葉が嬉しいわけじゃない。

律さんが心から紡いでくれる言葉や、雰囲気や優しさが嬉しい。

"いっしょに"過ごす日々が、嬉しい。


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