No rain,No rainbow
電気が落とされた薄暗い、部屋の中。

不思議と光る、律さんの目。

それは優しくも哀しくも見えて。

この目から溢れる涙を、止めることはできなくても。

ただただ静かにその時を、分かちあえばいい。

だって私は、嫌というほど知っている。

ひとりきりで泣く、切なさを、寂しさを。

耐えきれなくなって、自分自身を傷つけたくなったときも、すべてを投げ出したくなったときもある。

だから、私は全身全霊で律さんを護る。

このときにそう、誓った。


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