No rain,No rainbow
うつらうつらしていて、再び目を開けたら、私を見下ろす律さんと目があった。

「また、寝ちゃってました?起こしてくれればいいのに」

ほの暗い部屋の中で、律さんの頬がふんわり光っている。

「あまりに可愛かったんで、眺めてました」

目の保養ですよ。

なんてまた、ふわりと笑ってみせた。

その顔を見ていたら、

「…律さん…」

言いかけた、私の言葉をキスで塞いでくれた。

「…なんで、分かったんですか…?」

キス、して欲しいって…

「ん?あなたの事ならなんでもわかりますよ?」

物欲しそうな顔、してたから。

鼻と鼻がくっつく距離で囁いた。




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