No rain,No rainbow
「…そ…んな…こと…」

恥ずかしくて、思わず目線を外した私に、

「…ん?違った…?」

息が触れる至近距離。

耳に触れる、熱を持った甘い声は、なけなしの理性を奪ってゆく。

「なんどもなんども、なんども。キス、したいんです。律さん、と」

目を閉じたまま、囁いた私の言葉は、

「…ん…、」

優しいキスでまたも、塞がれる。

「…知ってます、よ…?そしてそれは、オレも同じ、です」

何度も何度も落とされるキスに、身を委ねた。


< 325 / 551 >

この作品をシェア

pagetop