発作でさえも、
「……お見通し、だね。なにもかも」


普通ならきっと気づかない。ただの偶然だと思って終わるはずなのに。


「舐めてもらっちゃ困る。わかるよ、瑞果のことならね」


ふ、と鼻先で軽く笑ったかと思えば、既に近い距離をゼロにするようにぐっと引き寄せて。



「だって瑞果が好きだから」


そうしてまた、私の心臓を溶かしていく。


苦しくて胸が張り裂けそうな発作も、君はいとも容易く甘い痛みに変えてしまう。


きっと、たった4文字が送れなかったのは心のどこかで自信がなかったのだと思う。私だけが朝里くんを好きなんじゃないかって、そう思っていた。


でもね、もしまたいつか発作に襲われてしまってももう大丈夫だと思う。



だってこの甘い痛みは、私が君を好きなだけじゃなく、君も私が好きだからなのだとそう教えてくれるから。


発作でさえも、愛おしくて堪らなくなる。




『発作でさえも、』完結

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