後味も甘く彩る
「ね、せんぱい。すきです。もう意味、伝わってるよね?」
夕日よりも赤い頬、ヘーゼルの澄んだ瞳、薄茶色の髪の輪郭が、金色にひかって。
――――ああ、もう。なにもかも、才原くん以外見えなくなる。
「わっ、わたしも、すきです」
「……っ!」
私の言葉に赤くなる才原くんに胸が締め付けられるのも、『せんぱい』って呼ばれる度胸がざわざわして落ち着かないのも、その瞳から目が離せないのも、毎週火曜日の放課後、もうそろそろ来るかな、って考えてしまうのも、ぜんぶ才原くんのことがすきだったからなんだ。
気づいてしまうと、もう誤魔化すなんて無理だった。
「……まって、これ夢じゃない?せんぱい、もういっかいキスしてもいいですか」
「……わたしのこと、名前で呼んでくれたら」
「うん。世那せんぱい、すき」
呼ばれた名前の響きを噛み締める余裕もなく、重なった唇の感触に気持ちぜんぶ、持っていかれる。
やっぱり、才原くんのキスはミルクティーよりもずっとずっと甘い。
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『後味も甘く彩る』完結


