ウソツキハート



あらたの名字すら知らない。



知っていたら、電話帳片手に、隅から隅まで、同じ名字の人に電話をかけていたかも。



なんて、あたし結構執念深いなぁ。



自分自身に苦笑して。



あらたのシアワセを願う一方で、本当はシアワセになりたい。



あらたとあたしで。



『いつか、迎えにいく。』



その文字だけが、今のあたしの支え。



だからあたしは今日も、この部屋であらたを待ち続ける。



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