ウソツキハート



ぷらぷらとあたしのマンションにやってきたかと思えば、昼間からお酒を飲む日もあるし、午後からどこかへ消えて、真夜中に帰ってくることもある。



もちろん、自分の家はあるはずだ。



最近は、あたしの部屋に入り浸っているけれど。



頬杖をつきつつ、あらたの顔を眺めてぼうっと考えれば。



ラグに寝っ転がって雑誌をめくっていたあらたと目があった。



「なに、物ほしそーな顔してんの?」



ゆっくりと起きあがりながら、あらたが言った。



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