ウソツキハート



あらたの顔をのぞき込めば。



「ん?ラズベリーじゃね?」



なんて、往生際が悪い。



「いやいや、ピンク色だし。ラズベリーだったらもうちょっと赤っぽいでしょう?」



問いかけながら、チョコレートを自分の口に入れた。



その味は、間違いなくストロベリーで。



じゃあ、あらたには何をお願いしよう?



考えながら、あらたを見つめた。



と、無言であたしの手を取るあらた。



その視線はあたしの指先に注がれている。



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