政略結婚のはずですが、溺愛されています【完結】
何度か寝返りを打っていると、部屋のドアをノックする音が聞こえた。
ビクッと体を揺らして私は上半身を起こした。
「日和、ごめん寝てた?」
「今寝ようと思ってたところだよ。どうしたの?」
「そっか、いや…おやすみ」
「うん、おやすみ」
お風呂上りの彼がドアから顔を出して、おやすみだけを言ってドアが閉まる。
おやすみ、と挨拶をすると自然と瞼が重くなっていった。
♢♢♢
パーティの件は楓君から何か言ってくることはなくて、それは私を呼ばないという答え合わせになっていた。
自らそれを聞く勇気もなく、金曜日になっていた。
再来週のいつパーティがあるのかもわからない。
今日、楓君は比較的早めに帰宅していた。ちなみに、キスもハグも私たちの間には一切なくなっている。敬語を使うことも無くなり、“きっかけ”が無くなっていた。