もう⋅⋅解放⋅⋅して⋅⋅⋅下さい

✮✮紬SIDE


紬は、太田の家へと向かった。

「いらっしゃい。」
と、にこやかに迎えてくれた義母に
「お邪魔します。」
と、声をかけてから中に入り
お義母さんがお茶をいれてくれるのを待つ。

お義母さんがソファーに座ると
「お義母さん。腰は大丈夫ですか?」
と、訊ねると
「今の所は、なんともないの。
まぁ、無理な事は、してないからかな。」
と、言うから少しほっとした。

無理して腰を痛めても
茜さんには、赤ちゃんがいるし
お義母さんにべったりとは行かない
だろうから。
「紬さん?つむぎさん?」
考え事をしている私に
義母が声をかけていたらしい。
「あっ、すみません。
実は······

と、茜さんと葵君の話をして

「私には、旭さんに子供を抱かせて
上げる事は、出来ませんでした。
お義母さんにも、孫を見せて
あげる事も。

両親の葬儀の時
お義母さんと旭さんには、
本当に沢山助けて貰いました。
お義母さんと旭さんがいなかったら
今の私はなかったと思っています。

ですが、その事と葵君の事は別です。
旭さんは、葵君の父親なんだから
きちんとしてあげて欲しいと
いや、しないといけないと
思います。

浮気だけなら······

もちろん、それも嫌ですけど。
私は、旭さんと離婚したいと
思っています。
今は、マンションを出てalkuにいます。」
と、話すと
お義母さんは、言葉を無くしてしまい。
「私が、あんな事を言わなければ。」
「お義母さんのせいではないと
思います。
こんなこと申しあげるのは
お義母さんの
お気に触るかもしれませんが
旭さんも茜さんに魅力を感じたから
やはり、子供が欲しかったから
そんな関係になったと思います。
それに······」
と、話してから通帳を見せた。

お義母さんは、通帳と私を交合に見るから
「私の知らない使い道です。
旭さんに確認していませんが
茜さんに渡してると思います。

この通帳は、私と旭さんの二人の物です。
使用する時には、
事前に話をする事になっていました。
ですが、私は聞いていません。
こんな事をされては
もう、信用も約束も無理です。」
と、言うとお義母さんは、泣きながら
「ごめんなさい。」
と、何度も言われていた。

私は、お義母さんに
「これは、旭さんに渡して下さい。
私には、もう必要ないので。
細かい取り決めは後日改めて。」
と、伝えてalkuに戻った。

健太さんに弁護士として
入って貰おうかと
思ったが····
これ以上、二人に迷惑をかけたくなかった。
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