もう⋅⋅解放⋅⋅して⋅⋅⋅下さい

✮✮紬SIDE


太田のお母さんと会ってから
随分と経つ
だが、何も連絡もなく
不安定な日々が続いていた。

眠れない日々
食べることにも無気力で
ぼぉーっとしたかと思うと
泣いていたり······

浮気から始まり
嘘から嘘····
二人の共有のお金まで···
それに、人の良い顔をして
私を知っていて近づいてきた佐川さん
いったい何を·····
恐怖心が私を支配してくる

私が何をしたと······ 

愛した人に裏切られて·····

苦しくて·····苦しくて·····

そんな私を
気づかって結月が
日本からだしてくれた。

買い付けとブラブラしておいでと。

学生の時にお世話になった方とも
連絡を取りあっていたから
遊びに行くと連絡を入れて
私は渡米した。

“ 半年間 ”

その間、結月は大変だが
あえて、私を日本から
遠ざけてくれた。
半年間、バイトの子を二人雇った。
結月の姪っ子とそのお友達だ。

本当に、結月と健太さんには
感謝しかない
いや、感謝してもしきれない。

私の中で
旭との復縁は
もう、あり得なかった。
だが·······

旭と茜さん·····そして葵君の
仲睦まじい姿を見る事を
考えると心が······
身体が·····壊れそうになる
それを見越しての
結月の計らいだった。

太田のお義母さんに
伝えて行こうかと
思ったが止めた。

もう離婚する嫁の動向を知りたいとは
思わないだろうと。

飛行機に乗り
目が覚めた時
アメリカに到着前で、
心からほっとしている
自分に笑ってしまった。
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