もう⋅⋅解放⋅⋅して⋅⋅⋅下さい

✮✮紬SIDE②


眠れずに朝を迎えた。

看護師さんの検温や
朝食が運ばれる。

なにか·····抜けてる·····

「秋元さん?秋元さん?」
看護師さんに呼ばれていたみたいで
「····あっ、はい。」
「いかがされましたか?」 
「えっ、いえ。」
「食べれるだけで良いですからね。」
「はい、ありがとうございます。」
と、言って手を付けるが
昨日より食べれなかった。

そうしていると
バタバタ、ガラガラと
結月が息を切らせてやって来て
「あっ、結月、おはよう」
「おはようっ、て?
あなたは、紬、どうして?」
「ああ、食欲なくて
昨日、眠れなかったからかな」
「眠れなかったの?なぜ?」
「·······う〜ん?」
「紬、どうして相馬君を帰したの?」
「どうしてって。
伊織は仕事が忙しいから
私の為にいつまでも引き止めては。」
「それで?なんて言ったの?」
「私は大丈夫だから
アメリカに戻って良いよって。」
と、言うと結月は呆れながら
「離婚したはがりだから
紬の気持ちもわからないわけじゃないよ。
でもさ、相馬君がどんな気持ちで
日本へ来たか、考えた?」
「どんな気持ち?
私を心配して···かな」
「なぜ?紬を?」
「友人?だから?
私が頼りないから?」
「本当に、そう思っているの?紬。
あなたは、頼りないわけないでしょ。
確かに同級生で友達たけど。
それだけで、わざわざ
アメリカから仕事調整してくる?
日本へ着いても、直ぐに来れなくて
ごめんって、意識のない紬にも
私達にも何度も言っていたんだよ。」
「私や結月達に?」
「そうだよ。凄く心配して。
ずっと、紬の手を握りしめていた。
それから、目覚めない紬に
目を覚ますのが怖いか?嫌か?
嫌ならこのままで良いって
紬が生きていてくれるならって
だけど、出来るなら俺に
守らせてくれないかって
毎日言っていたんだよ。」
と、涙を浮かべて言う結月に

聞こえた、きこえていた
あれは、伊織だったんだ。

紬は、結月に頬を拭かれて
自分が泣いているのに気づいた。
「わかった?紬。
相馬君は、あの時の別れを後悔していた。
連絡が取れなくなった事も
凄く悔やんでいた。
だからこそ、離れたくなかったんだよ。
でも、紬に自分は必要とされていない
と、わかったって、アメリカに
帰ったよ。
良かったの?本当に。
相馬君は、紬にとって必要ないの?」
と、言われて
首を振りながら
「そんな事ない。
必要ないなんて·····ない·····のに
私·····なんて···酷いことを·····」
「相馬君、かなり落ちていたよ。
健太も心配していた。」
と、言うと結月は
alkuへ行ってしまった。

「どうしょう?」と、騒ぐ私に
「自分で考えな!」と、言って。
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