もう⋅⋅解放⋅⋅して⋅⋅⋅下さい
23章 その後


紬は、可愛い女の子を出産した。
伊織は、立ち会い出産を
亜希翔の時から経験しているが
二人目で、女の子だからか
お産が早くて驚き
何も役にたたなかったと
落ち込んでいた。

クスクスっ、本当に、優しい。
【伊織、可愛いね。】
と、言うと
【可愛い。ありがとう、紬
お疲れ様、紬。】
と、言っておでこにキスをする。

一旦、伊織はお産室から出て
私は後処理をしてもらう。

亜希翔と相馬の両親、伊織が
新生児室前で、騒いでいる声が
聞こえる。

うふふっ、幸せだなぁ。

赤ちゃんが望め無くて 
落ち込んで、苦しんで、辛い思いを
したあの頃が、嘘みたいだ。
旭とは、そうなるべきでは
なかった·····と、言う事だったの
だろうか。
私の運命は、伊織に繋がって
いたのだろうか·······

全てのしがらみから
解放してくれて
私に幸せをくれたのは
他ならぬ·····伊織だ。

病室に戻ると
伊織が心配そうな顔をしているから
【伊織。
ずっと、ずっと、
私と一緒にいてね。
心から、あなたを愛してる。】
と、言うと目を見開いて
みるみる破顔していき
私を抱きしめながら
【愛してる。
いつまでも、どこまでも
紬だけを愛してる。】
と、言ってくれた。

伊織と亜希翔と
そして、今日、私達家族の元に
来てくれた、可愛い
< 琴葉 >
( ことは )

亜希翔は、ことちゃんと
呼んで可愛いがってくれている。

伊織も琴葉が笑うと
鼻の下がのび切っているから
笑える。

相馬の両親は、元気なうちは
アメリカに来るからね
と、言ってくれている。

結月とは、TV電話を使い
家族ぐるみで会話を良くしている。
亜希翔は、結菜が大好きで
結菜も琴葉を可愛がってくれている。

中々、会えないけど
一週間に一度は
必ず連絡を取り
一年に一度は、できるだけ
日本へ帰国するように
相馬の両親も気になるから。

結月は、嬉しかった。
紬が、前の、嫌、それ以上に
幸せそうで、生き生きしている事が。


いつまでも、いつまでも
幸せであって欲しい。

後ろからそっと抱き締められて
「紬ちゃんの心配ばかりしてないで
たまには、俺にかまって。」
「うふふっ。腕利きの弁護士先生で
有名な高橋先生が······」
健太の腕の中でくるりと回り
健太の首に腕を回して
「いつも、ありがとう。
健太がいるから、頑張れる。

結菜の成長を楽しんでいける。

私の旦那様が、健太で本当に
良かったと思っているの。
出逢った頃から変わらない
健太が大好きで、愛してる。」
と、言うと
ぐっと、健太の腕に力が入り
「俺も、かわらず
ずっと、結月が好きだよ。
綺麗で優しくて頑張りやの
結月が大好きだ。
だから、今日は仲良ししよう。
まあ、俺はいつもしたいけどね。」
と、言われて
真っ赤になりながら
健太に手を引かれて寝室へ。
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