灼けるような恋の先。




メロンのパフェを食べ終えて、お土産屋さんで晄のお土産を買い


樹とはお揃いのブレスレットが作ることが出来たから作った。






「あー、楽しかった」






楽しい時間はあっという間で、旅館に戻りもう一度お風呂に入って布団の敷かれた部屋でくつろいでいる。



こんなに充実した一日はいつ以来だろう?



そんな私をぎゅっと抱きしめてくる樹。






「俺、菫のことが好きすぎておかしくて沢山傷つけた。ごめん。
ピアスも刺青も流産も菫の体に取り返しのつかないことした。
何度謝っても許されないことだって分かってるけど…本当にごめんな」






私を抱きしめて、消え入りそうな声でそう謝る樹は本当に優しくなってくれた。



ずっとこうなってくれると信じてたから嬉しいよ私は。







「何言ってるの?
確かに嫌々ピアスも刺青も入れた。でも本気で変えようと思えば変わる樹を本気で変えず、その行為を受け入れたのは私だから。
一生この傷とはちゃんと寄り添うよ。
灯の件で逃げたり目をそらすのは良くないってわかったからね」






消え入りそうな声と顔の樹をしっかり見つめてそう伝えると、優しく笑う樹。



その瞬間にじんわりと好きだなぁって暖かい気持ちが沸きあがる。






「樹、私は樹のことすごく好きだよ。
灯以上に好きになれる人は今後現れないと思ってた。
でも、樹からはどんなことをされても信じて好きだと思える。
灯のように灼けるほどの恋じゃないけど、じんわりと暖かく広がっていった恋だよ。」






< 182 / 199 >

この作品をシェア

pagetop