ながい、愛。

永久に誓おう。

君への愛を。


「愛してる」


そんな4文字じゃ足らないくらい。


「ねぇ、なんでこのリング、パズルみたいになってるの?」


俺の左隣。
腕枕をされたままで、ぽつりと早貴が俺に疑問を投げて来た。
俺は少し照れ臭くなって、寝室の仄暗い灯りで少しだけ早貴の影が揺れる天井を見上げた。


「んー…それ、"ギメルリング"っていうんたけどさ…、『早貴が俺から永久に離れていかないように』っていう、願いを掛けて……店で見付けて一目惚れしたんだ」

それを聞きつつ、キラキラと輝く指輪を、指で掴んで何処か擽ったそうな、嬉しそうな顔をして見つめている早貴。

俺は、その手から指輪をそっと取ると、早貴の顔を真正面から見る。

「改めまして…、久我早貴さん、俺と結婚してください…」

そして、静かに薬指へと指輪をはめる。
すると、早貴は俺の顔を驚いたように見た。

「なんで?なんで、サイズ……」

「それは、まぁ…早貴が寝てる内にこそっと、ね」

「…んもーーー!恵夢の癖に、格好良すぎる!ばか!」

ぽかり

胸元を小さく叩かれて、俺はくすくすと笑う。

「って、早貴、顔真っ赤なんだけど…?」

「だって…!大好きなんだもん!本当に…好き…」


ちゅ、

ちゅ、

羽のような軽い音を立てて、俺の顔に降ってくる、沢山のキス。

そこに、ぽたり、と涙が落ちて来て俺は早貴の背中をぽんぽんと撫ぜた。

「愛してるよ、早貴…今までもこれからも…」

「私はその100倍想ってるんだから!」


そうして、二人…見つめ合って、じゃれ合って深い深い永遠を約束する接吻けをした。


二人いつまでも手を繋いで。
アイの見える丘へと進んでいこう。

その先に、どんな困難が待ち構えていても…構わない。

キミとなら、ずっと乗り越えていけるから。


Fin.
< 10 / 10 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

【短】甘く溺れるように殺される。

総文字数/5,008

恋愛(純愛)6ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
まるで、ピエロ…。 半笑いを浮かべ、涙も頬に描くだけ。 光を浴びるのは何時も自分以外で…。 縛り付けて、愛されたい。 そう焦がれるにも関わらず…。 最後はボロボロの一人芝居。 「願い事を口にしてしまってはダメ」 「どうして…?」 「叶わなくなるのよ」 「でも、俺はお前と居たい」 「ダメよ…そんなことを言わないで」 いじらしくて、可愛げがあって…。 もっと素直でいられたら。 そんなことを願った日は数多い。 それでも…私達の終幕は、もう。 始まっているんだ。 鷹野晃司(たかのこうじ)42歳 × 綾瀬虹子(あやせななこ)29歳 今、口にした言葉。 思ってもいないモノならば。 そこら辺の闇に投げて捨てて。
表紙を見る 表紙を閉じる
たとえば…。 首筋に薄っすらと付いた傷痕。 たとえば…。 ワイシャツから香るボディーソープの匂い。 たとえば…。 噛み合わない約束。 ねぇ? 貴方は、如何しょうもない男。 だから。 私が拾ってあげたのに。 またそうやって…。 何も知らない影に手を出しているのね。 もう…そろそろ。 こんな関係、止めにしましょうか。 結婚三年目…。 それは、どの辺りが消費期限なんでしょうか? 貝塚奈々恵(かいつかななえ)30歳 × 貝塚敦(かいつかおさむ)29歳 不成立にして非生産的で。 何処までも惰性した関係…。 その逸した視線を貫いて。 私が最後の言葉で貴方を殺めてあげる。
【短】心臓が何度も壊されるのに、まだ好きで。

総文字数/2,852

恋愛(オフィスラブ)4ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
その手に堕ちた瞬間。 私の身体は、全てあの人のモノになった。 心の琴線を震わせる声に。 騙されているとも知らないで。 人は、知らず知らずの内に…。 誰かを傷付けている。 花崎衛(はなさきまもる) × 森江春花(もりえさくら) その事に気付けないなら、 愛の答えは見い出せない。

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop