ムボウビハート



 「じゃあ、どうぞシアワセに。」



立ち上がって、握手を求められた。



「そちらも、オシアワセに。」



立ち上がって、握手を返した。



ぴん、と伸びた、スーツ姿の背中を見送りながら、どうやってあんずに会いに行こう?



まだ、うじうじと、悩む。



まだまだだな、俺。



自分自身に苦笑する。



窓の外はまだ、雨。



雨が上がったら、あんずに会いに行こう。







    『アマツブハート』








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