ムボウビハート



 「もうすぐ上がり、だろ?待ってるから。」



言い残して、あらたが自動ドアをくぐる。



夜の匂いと共に、あらたの甘い白が店内にふわりと香った。



店の前のガードレールに腰掛けて、長い足を投げ出している。



まるであの日のデジャヴ、だ。



そんな懐かしい光景を横目に、残りの仕事を片付けた。




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