ムボウビハート



 「ほら、行くぞ。最近、ほったらかしだったからな。お詫びになんでも好きなもん、買ってやる。」



あたしを促して、立ち上がったあらた。



その目は、相変わらず優しくて。



ささくれ立っていたココロを、溶かしてくれた。



「ありがと、あらた。」



もう一度、呟けば。



わしゃわしゃと、あたしの頭を撫でてくれた。



「また、買ってくれる?りんごあめ。」



なんて、泣き笑いで問い掛ければ。



「何個でも、何回でも買ってやるよ。今年も来年も、五十年先も、な。」




.
< 41 / 179 >

この作品をシェア

pagetop