愛を教えて欲しくない

そんな私たちが仲良くなるのにそう、時間はかからなかった。


初めて会った日から、慧は毎日トンネルに来るようになって、私もいつからか慧と遊ぶためにトンネルに行くようになっていた。


実は遊びの時間になると真っ先にトンネルへ向かって、ずっと1人で籠っていた私を先生たちは心配していたらしい。

誰かと関わろうとしなかった私が慧と一緒に籠って遊ぶようなったので、お友達になったんだねよかったね、と色んな先生に言われた。

まあ、でもどうしてずっと何もないトンネルにふたりで籠ってるの?と不思議そうには聞かれたけれど。

でもそんなこと、そんなことなんてどうでもよかったんだ。


慧さえいれば、それで。


肩を寄せ合いながら、2人あやとりをして遊んだり、ただ2人で好きなご飯の話や今日あった面白い出来事のなんてことない普通の話をしているときが人生で1番といってもお釣りが出るほど楽しくて仕方ない時間だった。
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