私、あなたの何なのでしょう? 10年目の再会は愛の罠


ひと口に広報部と言っても、『社内』担当と『社外』担当に別れる。
私は『社外』を受け持っている第一課。
結構やる事は多いが、第一課は主に業界の動向キャッチアップや、
公文書のプレスリリース等が主な業務だ。

父親の『血』かもしれないが、私は文章を読んだり書いたりするのが好きだった。
子供の頃、作文コンクールで賞を貰うと両親も祖母も大喜びだった。

好きが高じて、現在に至ったのかも知れない。

課内の内線電話が鳴った。

「瀬川課長、人事部からお電話です。」
「ありがとう。」

私に内線電話が架かってくるのは珍しい。しかも人事?

「はい、瀬川です。」 
『人事の滝沢です。』
「滝沢部長、お疲れさまです。」

『今日、二課の本郷君が休みだって知らなくて…悪いけどちょっとこっちまで
 足を運んでもらえる?』

「わかりました。今からでよろしいですか?」
『助かるよ。』



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