私を赤く染めるのは
翌日、1限目に予定されていた碧人くんの授業が自習になった。
どうやら碧人くんは休みらしい。
あの雨の中、走って行ったし風邪かな?
昨日、会った結月なら何か知っているかもしれない。
いつもなら真っ先にその話になりそうなのに今日の結月はやたらとスマホを気にしている。
「結月、碧人くんって」
「え、あ、碧人くん?風邪かなぁ?」
結月は続けて「連絡してみるね」と言った。
あれ、昨日会わなかったの?
「ねぇ、昨日の夕方頃って雷すごかったけど紫月くん家にいたの?」
「いないよ?だから、もうすっごく怖くて……!でも煌が来てくれたの」
後半部分は私の耳元で話す結月。
……ってことは、碧人くんには会ってないの?
もしかして、煌がいるってわかったから途中で引き返したとか?
……あの人ならやりそう。
「あ、碧人くんからスタンプ返ってきた」
結月はそう言うとスマホの画面を私に見せる。
結月への返信に妖怪が元気モリモリと叫んでいるスタンプを送る碧人くん。何これ……?
こんなの使うタイプじゃないでしょ。
そんな判断も鈍るほど体調が悪いのだろうか?
それとも結月に心配をかけないため?
どっちもかな。
本当、碧人くんって……。
2限目の終了を知らせるチャイムが鳴った後、私は気づくと鞄を手に取り走っていた。