私を赤く染めるのは


翌日、碧人くんが家まで車で迎えに来てくれた。


「おはよう」窓からそう声をかけると、運転席から降りてきた碧人くんが助手席のドアを開けてくれる。

これが、レディーファーストってやつね……!そんなことを思いながら、碧人くんにお礼を言いシートベルトを締めた。


「先生いいんてすが、女子生徒を隣に乗せて」運転席に戻ってきた碧人くんに冗談のつもりで声をかける。

すると碧人くんからは「いいよ、ゆづは特別だから」という答えが返ってきた。

「思ってた反応と違う……」


「なんだそれ。あ、でも知り合いに見つかったときは全力で言い訳よろしく」

碧人くんはそう言って笑うと車を走らせた。


車内には邪魔にならない程度の音量で洋楽が流れている。
碧人くんと2人で過ごす時間は久々で学校のこと、お兄ちゃんや朱莉の話、そして思い出話に花を咲かせた。

ここに朱莉もいたら楽しかっただろうな。

昨日、声をかけてみたが先約があるからと断られた。急な誘いだったし仕方ない。


碧人くんが連れてきてくれたのは、県内から少し離れた場所にあるショッピングモール。

新店舗、さらに土曜日というだけあって家族連れやカップル等大勢の人で賑わっている。

「碧人くん一応変装しておく?」

これだけ大勢の人がいたら知り合いとばったり……なんてこともあるかもしれない。

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