激甘御曹司は孤独な彼女を独占愛で満たす
ここにあるサンプルのように、気分や気温、体調によって身につける香水も変えているけど、今日は仕事を頑張るために目が冴えるような香りを選んでいた。
もう少し早めに教えてくれたら、必要最低限のお洒落をして出勤したのに。
まあ、早めに教えてくれていても、ハワイに居たので連絡は取れなかったか。
サンプル品を集めて、社長から送られてきた企画書を眺めようとしたら、後輩の石井くんがテンション高めで近づいてきた。
「見えましたよ、一階」
窓を指さしている。
というか、うちに出向いて来るにしても急じゃないか。
さっき社長と話したときには既に此方に向かっていたと言うことかな。
「石井くん、この依頼もしかして前から知ってた?」
さり気なく聞いてみる。
石井くんは常にテンションが高いけど仕事も出来て上司から可愛がられるような素直なタイプ。私も話しかけやすい。けど、香りがなあ。よくある香水しかつけないし、365日同じ匂いだし。
「前からっていうか、一週間前には依頼来たって知ってましたよ」