激甘御曹司は孤独な彼女を独占愛で満たす
姉に比べたら、可愛いぐらいだ、と彼は笑ってくれた。
私がひねくれて可愛くない反応していたのに。
数日だけの関係で終わらせて良いと逃げたのに。
こうやって彼は、怒りもせずに会いに来てくれたのか。
「そんな一刻のことで私を探してくれてたんですか」
ステーキを小さく切りながら、彼はまるで昨日見た映画の感想のように、すらすらと言う。
「あの時間が一番、俺には嬉しい時間だったから」
お姉さんのことで大変だった彼は、ご両親も姪も情緒不安定で弱音を吐けなかったんだと思う。
誰かの力に慣れたことは良かったけど、過大評価されてしまって落ち着かない。
「婚約破棄されたと友人や周りに言えば、君はまた心無いうわさ話や表面だけの慰めや、その他の手
続きで心労が溜まってしまうだろう」
お姉さんを見ていたからこそ、彼は言えるんだ。
私がこれから先、苦労しなくてはいけない場面を全て知っていて心配してくれている。
「君は悔しくないのか」
「……正直に言えば、きっと貴方が引くぐらいは」
「で、しばらく恋愛はしたくないなら、俺を利用すればいい。俺の存在はきっと君にとって損はないだろ」