激甘御曹司は孤独な彼女を独占愛で満たす

「あの時に、手を振っていた人が、貴方だったと」

 頷かれて、呆然としてしまった。

「泣いているみどりに優しく声をかけてくれて、お礼を言いたかったんだがうちも母が気を失ったり、姉が泣き崩れたりとバタバタしていてお礼を言う前に居なくなったから」
「なるほど。確かに急いでました」

 親戚が送迎バスをケチっていたので一台しか準備していなかったんだもん。県外の人や逆方向の人も全員同じバスにしたから、遅れるわけにもいかなかった。

「みどりは赤ちゃんの頃から俺も面倒を見ていて、はっきりいってかなり溺愛しているかな。可愛いだろ」
「はは。確かに」

 ツインテールの天使みたいな子だった。彼が蕩けんばかりの声で会話していたのも頷ける。
 私と彼は一年前に間接的に出会っていたってことか。

「だが、ハワイで出会ったのは本当に偶然だから。君がバイトスタッフだったことは式場のオーナーに聞いていたので、お礼の電話を君の会社に伝えたら営業されてーーみたいなことが先月だったが」
「えっ」

 それは初耳だ。

 彼とうちの会社がどうやって関りが持てたのかは、これで確認できた。

「うちも丁度アロマの開発依頼を頼む前だったし、恩人の君の会社に頼むのは至極当然だろ。ただ再会できたのだけは本当に驚いたが、一年前と何も変わらず、お人好しでお節介なところが可愛いと思った」

「……嘘です。あの時はすごく捻くれてました」

「婚約破棄されたなら当然だろう。姉を見たから分かってるし、受け止める自信もあったよ」
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