白檀の王様は双葉に芳しさを気付かせたい
―――琥白さんは卑怯だ。
例えば、これ。
シャワー浴びてから、上半身裸で出てくるとか。
「もう、上! 上を着てください!」
「いや」
「なんで⁉」
泣きそうになりながらできるだけ上半身を見ないように目線を琥白さんからそらせる。
なのに琥白さんは近くまで来て、楽しそうにクスクス笑ってる。
(ちょっと大人の色気と言うか、色香がありすぎませんかね!)
心臓が、ドッドッドッと大きな音を立てて、顔が熱くなる。
それを知ってか知らずか、琥白さんは私の頬をするりと撫でた。琥白さんの香りに頭がくらくらする。
そんな私を見て、琥白さんはそのまま当たり前みたいに、私の服に手をかけた。
「こ、琥白さんっ!」
「なに?」
「なんで、脱がすんですか!」
「俺だけ上半身裸だから恥ずかしがるのかと思って」
ニコリ、と腹黒そうな笑みを浮かべて琥白さんが言う。
その笑みすらかっこいいとか思ってしまって力が抜けると、それを見計らったように琥白さんは私の服を全て脱がしてしまった。