白檀の王様は双葉に芳しさを気付かせたい
「本当、面倒な兄貴だよなぁ……。こんな面倒な兄貴のいる女、好きになるやついないだろ。ただでさえ女は面倒なのに」
その当時の俺はというと、それを見て心底呆れて、そうため息をついていた。
俺は『愛情』なんてもの、他人に感じたことはなかったし、きっと一生誰かを愛する気持ちもわからないだろうと思っていたから。
まさか、それを全部守ってでも手に入れたいほど、ふたばのことが好きになるなんて……。
―――結局、俺がふたばにこの世の輝きを気付かせたんじゃなくて、
昌宗とふたばが俺に人を愛することの芳しさを気付かせたんじゃないか……?
今になって振り返ってみると、そんなことを思うんだ……。
〈END〉


