Extra Fight集 〜年下上司が、地味な私への溺愛を隠してくれません〜
「でも、さすがにランドは不安だから、できれば俺たちにも一緒に来て欲しいって」

な……!?
なんだって!?

「私と……河西くんで?」
「そう」
「何で?」

そうだ。
言ってやれ綾香。
何でお前なんかと一緒に行かないといけないんだって。

「早瀬にとって気心しれてるからいいんじゃないのか?」
「ん〜……でも……」
「あ、もしかして……」

ちらと、河西が顔をあげた。
おそらくすでに気づいていたのか……僕の方を見て、くすりと笑った。
……やっぱり河西……お前は……嫌いだ……!

「加藤さんに、何か言われてる?」
「ん〜……別にそう言うわけじゃないんだけど……」
「ほんとに?加藤さんに、自分以外と遊びに行くなとか、言われてるんじゃない?」
「そんなことないない!土日とか、会わない日も普通にあるし」
「ふーん……?」

そうだ。
別に僕は……愛する彼女のプライベートにとやかく言うほど、ガキじゃない。
ただ、気になって、つい彼女の自宅に行ってみたり、見かけたら後をつけるくらいだ。

「じゃあ、いいじゃん。今度の土曜日、一緒に早瀬達と楽しもうよ」
「ん〜……」

え、何で悩むの。
そこ、悩むところ?
僕からの誘いがあるかもしれないって、思わないの?

「チケット代は、向こうが出すってさ」
「行く」

即答した!?

「よし。じゃあ早速早瀬に連絡を」
「ちょっと……待ってくれるかな?」

もう我慢できなくて、僕は2人の間に割り込んだ。
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