スタンドバイユー
あの角を曲がれば!!


あたしの部屋はアパートの一階のはじ。


ようやく、たどり着いたドアの前で、



「あれ…。カギが…」


こんな時に限って、カギが見つからなくて焦ってバッグをひっかきまわす。



……無い…、



すると、後ろからいきなり肩を叩かれて、同時に手のひらで、口まで塞がれた。


……殺される…


声すら出せない恐怖が、じわじわと足元から登ってくる。


思わず目を閉じた、その時…、



「お前っ!なんでいきなり走るんだよ!!」



抑えた男の人の声が、耳元で響いた。


……この声、は…



おそるおそる顔を上げる。







「えっ!?なんで…?」



あたしが昨日、思いっきりひっぱたいた…




有樹 愛が立っていた。



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