スタンドバイユー


頭の上で、ドアが開く音がする。



「…えっ?」



顔を上げると…



「お前っ!何でまた、泣いてんだぁ?しかも、何で玄関…」



両手にビニール袋を下げた、困り顔の有樹さんが立っていた…。




「だって…またいなくなるんだもん…」




「…買い物行くって言っただろ?」




「…3分で戻って来て…」




「…ウルトラマンかよ…んなこと出来るかっ!とにかく、中入れ」



有樹さんが奥を指差す。



「…た…立てない…」




「はぁ?」



「あ…有樹さんが驚かすから…腰が抜けて…」



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