スタンドバイユー
「ったく、しゃーねーな」



1つ、溜め息をついて、有樹さんはビニール袋を床に置くと、あたしの腕と膝の下に両手を入れて、不意にあたしを抱き上げた。






「ちょ…ちょっと!いいです!大丈夫です!歩けます!!」




そんなじたばたしている、あたしにはお構いなしで、彼はあたしをお布団の上に着地させた。



「とにかく。お前何か食え。食わなきゃ薬も飲めないだろ。弁当食えるか?」





「…吐きそうです」



「じゃあ、これなら食えるだろ?」




有樹さんは袋いっぱいのカップに入ったかき氷だとか、アイスクリームをあたしの目の前に差し出した。



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