スタンドバイユー
異変は、感じていた。結構、前から。



少し歩いただけで、足に違和感。




原因は分かっいて。




昨日、愛が帰ってから、慌てて買いに行った、底の高いサンダル。




新しいひらひらのワンピースとペティキュアだってばっちり決めたのに。




合わないサンダルが気になって、買い物にも集中できない。





本当に楽しそうに笑ってる愛には、迷惑は掛けられない。




我慢、するしかない。




「…好?どうした?」




「…ん?何でも、ないよ?」



うつむきながら答えたら、愛があたしを覗き込んだ。




「お前、何か変だぞ?」




「んーん。何でも、ない」



頑なに言い続けるあたしを、




「まぁまぁ」って、




通りの大きな噴水の前に座らせて、




「なぁ、好。俺に嘘は通じないって、知ってた?足、痛いんだろ?」




って、たしなめるみたいに言う。




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