一夜では終われない~ホテル王は愛しい君を娶りたい~
 顔を上げた深冬が私を見つめて甘い微笑を浮かべた。

 言葉の続きを急かされているわけでもないのに、落ち着かなくて口を開く。

「今までキスもあんまりしてこなかったし、深冬がまだ早いなって思うなら本当に大丈夫だから。恋人同士でクリスマスにお泊まりするなら、絶対にそういうことをしなきゃいけないわけでもないし」

「今の会話の流れでどうしてそういう話になるんだ?」

「だ……だって」

 包み込まれた手を握り返したが、心の一番深いところでざらついた感情が動く。

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