一夜では終われない~ホテル王は愛しい君を娶りたい~
 友人がいれば助けを求められたが、残念ながらこの講義だけひとりぼっちだ。かといってこのままプリントもなく講義を受けても時間の無駄になってしまう。

 考えた末、隣の席に座っていた男子学生に話しかけた。

「……すみません、プリントを忘れてしまったんです。少しだけ見せていただけませんか?」

 声をかける寸前まで隣にどんな人が座っているかなんてまったく気にしていなかったが、こちらを見た彼の顔を見て文字通り息が止まったかと思った。

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