片恋
延藤くんがいなくなって、屋上は再びふたりきりの空間になった。


そよそよと弱い風が、肌に気持ちいい。

日陰に移動して、ぴったりと肩を寄せて座る。


伊月くんとふたりでいると、落ち着く。

何も話さなくても、隣にいるだけでいい。


「伊月くん、本当に延藤くんと仲良くなったよね」

「あー、確かに。あそこまで気が合う友達、延藤が一番かも」


伊月くんの一番、ズルいなぁ……。


「でも、真桜のことを利用したのは、まだ許してないけど」


あれ。なんか、一瞬怖い顔したような気が。
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