エリート警視正は偽り妻へ愛玩の手を緩めない【極上悪魔なスパダリシリーズ】
その夜、純平さんは十一時過ぎに帰ってきた。


「……なんだ、これは」

「あ。お帰りなさい、純平さん!」


リビングの床にペタンと座り、写真撮影に熱中していた私は、怪訝そうな声を聞いて、弾かれたように顔を上げた。
純平さんは、ソファにバサッと上着を放り、ネクタイを緩めた。
ローテーブルいっぱいに並んだコンビニスイーツやお菓子に、目を剥いている。


「ガレッジセールでも開くつもりか?」

「いえいえ。これ全部、仕事の参考にしようと思って、コンビニで買ってきたんです」


スマホを覗き、カメラのアングルを確認しながら、〝季節の苺モンブラン〟を画像に収める。


「お菓子のアイデアだけじゃなくて、パッケージの写真とかネーミングなんかも。……あ。帰りに朝峰さんが来てくれて、一緒に行ったんです」


純平さんも了承済みと聞いたけれど、一応説明を加えた。


「聞きました。朝峰さんって、純平さんのご親戚なんですね」


彼はセロファンで包まれた柏餅を摘まんで、何度か頷いた。


「朝峰は飯に連れていくと言って、出たはずだが……」

「そう言ってくれたんですけど、それよりコンビニに行きたかったので」

「……不憫な奴」
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