エリート警視正は偽り妻へ愛玩の手を緩めない【極上悪魔なスパダリシリーズ】
純平さんが、口を手で隠してボソッと呟く。


「え?」


スマホを操作する手を止めて聞き返すと、「こっちの話」と誤魔化された。


「それより……こんなにどうするんだ。しかも、生菓子ばかり」

「今日のお礼に、朝峰さんにお裾分けしようとしたんですけど、ひとりじゃ食べきれないからって、ふたつしか貰ってくれなくて」

「それが当然だろ。お前がおかしい」


速攻で痛いところを突かれ、「う」と口ごもる。


「で、でも私は純平さんとふたりだし。純平さん、お好きなのどれでもどうぞ」

「結構。甘いものは嫌いだ」


純平さんは、取りつく島もなく、柏餅をころんとテーブルに転がした。


「そっか、残念……。じゃあ、明日会社に持っていって、同僚に分けます」


私は肩を落として、撮影を終えた物から、エコバッグの中に戻していった。
純平さんは床にドカッと胡座を掻き、テーブルに頬杖をつく。


「……浮かれてるな」

「え?」

「楽しかったか? 朝峰とコンビニ巡り」

「はい! とっても」


私は彼の方を向いて、はにかんで答える。


「朝峰さん、甘いものに目がないそうですよ。むしろ私より詳しくて、それぞれのコンビニのお勧めとか教えてもらいました」

「…………」
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