※あの乙女はニセモノです
「い、いや〜、まだいまいち状況を把握できてないって言うか…。あ、手は全然大丈夫!」
ほら!と私は男に掴まれていた右手を女の子の目の前でヒラヒラとさせて見せた。
すると女の子は両手で勢いよく私のその手を掴んできた。
「え、…っと?」
「赤くなってるじゃないですか!!全然大丈夫じゃないです!!」
さっきまでのニコニコ笑顔な女の子はもうどこにも居なくて今は凄く怒られてる…と思う。
あんまりよく顔見えないけど声のトーン的にね。
何か言った方がいいかもと思って口を開けようとした時、女の子は「そこで待っててください」とだけ言ってどこかへ走って行った。