※あの乙女はニセモノです

「おっ、お待たせしました…。お姉さん右手。出してください」



「あ、あぁ、うん」



女の子は右手に小さな袋をぶら下げて息を整えるように大きく深呼吸をする。



そして袋の中から湿布を取り出し私の右手にそっと貼ってくれた。



え、まさか湿布を買いにわざわざ走ってくれたってこと?



こんな見ず知らずの私のために?



何この子、めちゃくちゃ良い子。



私は思わず女の子を抱きしめた。



「あなたとっても優しいんだね。ありがとう!」



その時初めてちゃんと女の子と目が合った気がする。



そういえばこの子…間近で見ると一層可愛さ増すな。
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